長生きが招くお金の誤算 ~資産運用のススメ~

マインド

前回、お金の貯め方と、目標金額の決め方について、実践した方法を紹介しました

特に、目標金額の決め方で紹介した表は、必要な生命保険金額の目安にもなります

その記事中で、「これでは不十分な面がある」と書いた内容について説明します

それはつまり、長生きリスクです

みらい
みらい

長生きがリスクって、どういうこと?

長生きするって、良いことじゃない?

たく
たく

前回は平均寿命を使って必要金額を計算したね

だけど、人はいつ寿命を迎えるか分からない

予定よりも早い寿命に備えるのが生命保険だけど、予定よりも長生きしても、お金が足りなくなるかもしれない

みらい
みらい

確かにそうだ

しかも老後働けって言われても、働けないかもしれないし

”長生き保険”って保険は無いしね

たく
たく

その通り

だから、前回紹介した計算では、長生きに対しては備えにならない可能性があるんだね

今回は、長生きリスクへの備えについて説明しよう

この記事の結論は、現金貯蓄以外の方法で資産運用を始めて、お金を増やし続ける仕組みをつくる

具体的な資産運用について、それぞれ順番に説明します

Contents

4つの資産運用方法

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現金貯蓄(日本円)

言わずと知れた、ゆうちょの貯金、または、銀行の預金(普通、定期)です

これは、日本人の大半が行っている資産運用

最大の特徴は、元本割れしない反面、日本ではマイナス金利政策の中、

預金金利は、メガバンクでも0.001%

仮に100万円を1年間預けても金利10円

元本割れしないという意味では、現金保有する手段としては優秀ですが、リスクが無いわけではありません

それはインフレリスクです

インフレとは、物の価値が上がってお金の価値が下がること

例えば、、

  • 少し前までは100円で買えていたチョコレートが、今は110円になった
  • 少し前までは100g入っていたお菓子が、値段は同じだけど90gになった

一つ目は実際の値上げ、二つ目はステルス値上げといわれています

日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定めました

つまり、2%のインフレが物価の安定に繋がると考えられています

仮に年率2%のインフレが継続すると、今日の100円の物は、来年には102円5年後には110円25年後にはなんと、164円になるということです

お金を銀行に預けていても、ほとんど増えないどころか、価値が下がってしまいます

  銀行へ預金 物価(円)差額(円)
今年1001000
1年後100.001%100102%102-2
2年後100.001%100102%104-4
3年後100.001%100102%106-6
4年後100.001%100102%108-8
5年後100.001%100102%110-10
6年後100.001%100102%113-13
7年後100.001%100102%115-15
8年後100.001%100102%117-17
9年後100.001%100102%120-20
10年後100.001%100102%122-22
11年後100.001%100102%124-24
12年後100.001%100102%127-27
13年後100.001%100102%129-29
14年後100.001%100102%132-32
15年後100.001%100102%135-35
16年後100.001%100102%137-37
17年後100.001%100102%140-40
18年後100.001%100102%143-43
19年後100.001%100102%146-46
20年後100.001%100102%149-49
21年後100.001%100102%152-52
22年後100.001%100102%155-55
23年後100.001%100102%158-58
24年後100.001%100102%161-61
25年後100.001%100102%164-64
物価上昇率2%の場合の物価推移

しかし、デフレ不況と呼ばれて久しい日本では、実際の物価指数は1%未満近辺を推移

例えば、総務省のデータ、「2015年基準 消費者物価指数 全国 2020年(令和2年)5月分」によると、2019年の消費者物価指数は0.5%。

みらい
みらい

なんだ、0.5%ならそんなに大きくないじゃん

たく
たく

それでもじわじわと物価は上昇しているし、メガバンクの金利0.001%と比べたら、500倍にもなる。

実際、総務省の統計データを見ると、1985年は71円だった即席めんの価格は、25年後の2010年には145円と、2倍以上にもなっているよ。

みらい
みらい

え、お金の価値って実際にそんなに変わっているんだ!全然実感ない

債券

債券とは、国や企業などの借金のことで、お金を借りた国や企業は、ある金利を付けてお金を返します

債券を購入すると、その金利からリターンを得ます

また一般的に、金利と債券の価格は相反する値動きをしますので、金利が上がると債券の価格は下がり、金利が下がると債券の価格は上がります

債券の価値は金利と価格で決まるので、債券自体の価値の変動は比較的小さいと言えます

また、銀行などの定期預金の利率よりも高いため、定期預金よりも債券を購入する人も居ますね

株式

みらい
みらい

株って、ギャンブルでしょ?それに難しそう

たく
たく

まあ、そう毛嫌いせず、株式とは何か、を知ってから考えよう

資本主義社会の中で、会社の資本金、つまり事業を始めるために必要なお金を個人で集めるのは大変です

そこで、株式というものを発行して、その価値がある、将来成長が見込める、と感じた人からお金を出資してもらい、その証拠として株を渡します

個人オーナー会社の場合のひと株当たりの金額は、オーナーと出資者が合意する金額でよく、特に制限はありません

極端な話、ひと株1円でも100万円でもよいのです

これを株価と言います

会社がある程度成長し、安定してくると、より多くの資金を集めて会社を成長したい、という時期にきます

その際により多くの人からお金を集めるために、株式を市場へ公開します

これが店頭公開、或いは株式上場、というもの

前者が証券取引所を経ずに証券会社などで取り扱う場合、後者が証券取引所で株式を取り扱う場合ですね

日本で証券取引所と言えば、東京証券取引所や大阪証券取引所、ジャスダックなどがありますね

証券取引所の審査基準は厳しいので、店頭公開より、株式上場した会社の株の方が信用度が高いと言えます

個人投資家は一般的に、より信用度の高い証券取引所を通して上場した株を購入します

店頭公開、或いは株式上場した株価は、市場の売買で決まり、買う人が多いほど高く、少ないほど安くなる仕組み

株式には、大きく分けて二種類あり、例えばトヨタや任天堂といった、個々の上場会社の株を購入する個別株と、複数の企業の株式などが一つにまとまった、投資信託やETFがあります

日本の個別株は殆どが100株単位での購入となる一方、投資信託は100円から購入可能

因みにETFとは、上場投資信託のことで、売買単位は10口、100口など、ETFによって決まっています

不動産

不動産とは、土地や建物などの、物理的に動かすことができない資産

マンションや一戸建てを安く買って高く売るか、貸して家賃収入を得ることで収益化します

但し日本の場合、人口減少、少子高齢化と過疎化が進み、不動産価格が上昇しているのは、都市圏などの限られたエリアのみ

我々が目にする物件の、価格のほとんどには広告費などがのっており、その価格が不動産としての価値がないことが大半と言われています

銀行などから融資を受けるにしても、数百万円単位のお金が必要になるケースが多く、素人には中々手が出せません

私自身も、不動産投資はハードルが高く、行っていません。

但し、REITという不動産の投資信託があり、少額から分散投資できるため、

初心者も手が出しやすい不動産投資方法もあります

以上、4種類の投資方法を紹介しましたが、いかがだったでしょうか

みらい
みらい

現金貯蓄は分かる

債券も、元本割れのない国債とかなら、購入もありかな

たく
たく

なるほど、元本割れするかしないかが、ポイントということだね

確かに国債は、円という単位では元本割れしないけど、円そのものの価値が下がらない保証はどこにもない

これは現金貯蓄のところで説明した通り

みらい
みらい

そうか!インフレリスクというやつだね

たく
たく

その通り

今回は、インフレリスクの理解が深まるだけでも大きな収穫だよ

結局、現金貯金だけの資産運用では、不十分ということになります

理由は、日本銀行が目指すインフレ率より、銀行やゆうちょへ貯蓄した場合の利率の方が低いから

従って、2.株式、3.債券、4.不動産への投資をうまく組み合わせて、インフレ率以上にお金を増やすことで、老後の長生きリスクに備える必要があるわけです

たく
たく

例えば株式の売買がギャンブルだ、と言われる所以ゆえんは、この株価の上下が大きい株があり、景気にも左右される

そして支払った金額よりも安くなり、元本割れするリスクがあるからだね

みらい
みらい

そうそう、株価が上がるか下がるかなんてよくわからないから、やっぱり一か八かのギャンブルでしょ?

たく
たく

確かに、未来の株価は誰にも分からない

でも、ギャンブルと大きく異なるのは、ギャンブルは「一か八か」と言うように、合計は9であって、10にならない

明日の株価が上がるか下がるかは、二分の一の確率だから、五分五分で合計が10になる

これが株式がギャンブルと異なる大きな違い

一方、10年、20年と長期で見た場合、資本主義社会のこの世の中は良くなっているか、悪くなっているか、と言えば良くなっている

資本主義社会の発展は、企業の発展によるものだから、世界の企業全体は良くなっている、つまり株価は上がっていく方向にある、と言えるよ

従って、長期間の株式への投資は、五分五分よりも高い確率で、リターンを得ることが期待できるということ

まとめ

老後の長生きリスクを資産の面で備えるには、資産運用が不可欠です

その資産運用の方法には以下の4つ

  1. 現金貯蓄(日本円)
  2. 債券
  3. 株式
  4. 不動産

日本人の大半が行っている、1.現金貯蓄だけでは、インフレリスクから不十分

インフレリスクを補うために、2.株式、3.債券、4.不動産への投資をうまく組み合わせることによって、お金を増やし続け、老後資金のリスクを最小限に抑えることができます

因みに、株式、債券、不動産などの投資信託への投資には、証券口座が必要です

おススメはSBI証券か楽天証券

私は楽天証券へ口座を開いています

次の記事では、具体的に、何に投資すればよいか、について説明します

以上参考になれば幸いです



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