2021年8月から2023年12月まで毎月25,000円ずつ、SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(SBI VTI) と楽天・全米株式インデックス・ファンド (楽天 VTI) へ積立(それぞれ元本725,000円ずつ)し、以降は「ほったらかし」で保有しています
2025年11月30日時点での評価額はそれぞれSBI VTI:1,417,033円、楽天 VTI:1,416,912円と僅差。今回はさらに、両ファンド公表の「1か月・6か月・1年・3年のトータルリターン」数値を用いて、運用成績・コスト・ポイント制度の3軸で徹底比較します

今日の話はなになに?

要約すると、楽天VTIも優秀だから、持ち続けても良いよ〜という話
以前、【2022.3時点 大差なし】SBI VTI vs 楽天VTIという記事を上げましたが、今回の記事はその更新版という位置づけでもあります
優良なインデックスファンドといえば、eMAXIS Slim全世界株式 (オール・カントリー) か、eMAXIS Slim米国株式 (S&P500) かのどちらかと言われていますし、私も聞かれたらそのように答えます
しかし、2019年頃リベ大の両学長がVTIを紹介していたことや、2022年頃に話題となった、厚切りジェイソンさんがVTIに投資をしてFIREした話、SBIアセットマネジメントから、SBI・V・全米株式インデックス・ファンド (愛称:SBI・V・全米株式) が発売されたことを背景に、楽天VTIやSBI VTIを購入して保有しているという人も多いと思います
当時は確かにVTIが最も良い選択肢の一つであったのは間違い違いありません
今から米国のインデックスファンドを購入するなら、「eMAXIS SlimシリーズのS&P500を購入しよう」とアドバイスすると思いますが、「過去に購入した楽天VTIを持っているけど、SBI・V・全米株式やS&P500に買い替えたほうが良いの?」という疑問に対し、自信をもって楽天VTIを持ち続けられるように実績を見ながら解説します
安心して楽天VTIを持ち続けられるきっかけにもなったら良いと思い、この記事を書きましたので、是非最後まで読んでいただけると幸いです

なんで中身は同じ2つのインデックスファンドを購入したの?

当時は興味本位で色々試したかった、というのが正直なところ
当時、まだNISAはつみたてNISAで年間40万円まで、と、現行NISAの年間360万円と比べると少額だったので、特定口座でも毎月インデックスファンドを購入していました
2021年にSBIのVシリーズとして、SBI・V・全米株式インデックスファンドが売り出されて、それまでの楽天全米株式インデックスファンドよりも低い信託報酬が話題になったので、それまで購入していた楽天VTIはと比べてどれくらいパフォーマンスが高いのか実証みたくて同時に購入し始めました
購入金額については、三井住友NLのクレカで積立投資すると月5万円まで1%のポイントがついたので、2021年8月から2023年12月まで楽天VTI、SBI VTIをそれぞれ毎月2.5万円ずつ積立購入して保有しています

2024年からは現行NISAになってNISA枠が拡大したから、特定口座での積立期間が2023年12月までってことね

すごい!よく解ったね!!
NISA口座は楽天証券で開設しているから、2024年1月以降の積立投資は楽天証券のNISA口座だけで行っているよ
それでは早速、2025年11月時点での実績から御覧ください
2025年11月30日時点の楽天VTI、SBI VTI それぞれの運用実績
SBI証券の投資信託ポートフォリオのスクリーンショットを貼り付けました

SBI VTIの元本725,000円に対し、評価額が+95.44%の1,417,033円、楽天VTI の元本725,000円に対し、評価額が+95.43%の1,416,912円と、その差はたった0.01%の121円
結論、運用成績はどちらもほぼ互角であることが解ります
後に触れますが、楽天VTIはSBI VTIよりも信託報酬が0.06%程度高いにもかかわらず、2年4ヶ月の間、楽天VTIはSBI VTIに引き離されずに運用されているということが分かりますね
ちなみに、損益が円建てと%とで表示されていますが、実際に計算すると、計算が合いません
例えば、SBI VTIへの投資元本725,000円に対し、損益+95.44%を計算すると、1,416,940円ですし、楽天VTIへの投資元本725,000円に対し、損益+95.43%を計算すると、1,416,867.5円になりますが、実際に表示されている評価額とは若干誤差があります
投資信託の損益(円建て・%表示)に誤差が生じる主な理由は、評価額の計算に使用される「基準価額」が決定されるタイミングと、保有資産の時価評価や為替レートの反映タイミングが異なることが主な要因と言われています
このような誤差は、同じような理由で実際に売却する際にも発生しますし、そもそも投資信託の売却手続きをしてから実際の売却価格が決まるまで最大1営業日程度の時差が生じるため、0.01%の違いというのは、無視して良い数値ということが分かりますね
次に公表された数値を元にそれぞれのファンドの成績を確認していきます
トータルリターン比較(公表値)
SBI VTI 公表値
SBI証券にログインして、SBI VTIの商品ページを開くと、基準価額騰落率の欄で各期間ごとの騰落率を確認することができます
2025年11月1日時点のそれぞれの期間の騰落率は以下の通りです

- 1か月: 5.67%
- 6か月:32.86%
- 1年: 18.13%
- 3年: 83.91%
楽天 VTI 公表値
同じくSBI証券の楽天VTIの商品ページを開き、2025年11月1日時点での各期間の基準騰落率を確認すると、以下の通りでした

- 1か月: 5.70%
- 6か月:33.03%
- 1年: 18.15%
- 3年: 84.01%
比較表
単純に比較すると、常に楽天VTIの方がSBI・VTIの成績を上回っていたことが分かります
インデックスファンドなので、成績の良し悪しだけではなく、マザーファンドであるVTIの騰落率により近いことが重要ですが、それでもリターンが高い事は投資家からすると嬉しいものです
| 期間 | SBI VTI | 楽天 VTI | 差(楽天-SBI) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1か月 | 5.67% | 5.70% | 0.03% | 直近期の比較 |
| 6か月 | 32.86% | 33.03% | 0.17% | 中期指標 |
| 1年 | 18.13% | 18.15% | 0.02% | 直近1年リターン |
| 3年 | 83.91% | 84.01% | 0.10% | 長期傾向 |
運用コスト・ポイント制度の比較
信託報酬
SBI VTIの運用報告書 (2024年7月12日~2025年7月11日) によると、信託報酬は0.079%です
これに、本件VTIの運用管理費用0.03%を足すと、0.109%となり、設定された信託報酬の0.0938%よりも若干高い手数料で運用されていることが分かります
SBI VTIの手数料 (経費比率)

楽天VTIの手数料 (経費比率)
一方、楽天VTIの最新の運用報告書 (2024年7月17日~2025年7月15日) によると、信託報酬は0.146%です
これに本件VTIの運用管理費用0.03%を足すと、0.176%となり、こちらも設定された信託報酬0.162%よりも若干高い手数料で運用されていました
どちらの投資信託も競争力のある運用コストですが、それでもSBI VTIの方が0.067%安い運用コストであることが分かります

- 信託報酬:SBI VTI 約0.0938%/年、楽天 VTI 約0.162%/年(差 約0.0682%)
- 投信マイレージ付与率:SBI VTI 0.022%、楽天 VTI 0.05%(差+0.028%楽天有利)
- 結果的にコスト優位はSBIだが、ポイント+運用実績で楽天が優勢という構図も成り立つ。
- 上記リターンデータとの整合性・乖離に焦点を当てて考察。
なぜ信託報酬で優位なSBIでもリターン差が出にくいか
以下3点の可能性が考えられます
- ベンチマークが同一(VTI指数連動)で構成がほぼ同じため、純粋な差異が出にくい
- 為替・分配金再投資・買付タイミング・マザーファンド運用などの違いが影響
- 公表されているリターンデータで楽天が上回っているので、「運用の優位が手数料の差をカバーした」
積立実績:元本725,000円×2ファンド+評価額比較
- 元本:725,000円(SBI)/725,000円(楽天)
- 評価額(2025年11月30日時点):1,417,033円(SBI)/1,416,912円(楽天)
- 評価損益:+692,033円(SBI)/+691,912円(楽天)
- 実績ではほぼ並走状態で、リターン差が出ていない事実を再確認
グラフで見る評価額の推移

SBI証券の各投資信託銘柄の過去の基準価額データをグラフ化したもの
SBI・V VTIと楽天VTIを25,000円ずつ購入を始めた2021年8月の基準価額を1 としたときの2025年11月末までの基準価額の推移をグラフ化したものです
青色の線がSBI・V VTI、赤色の線が楽天VTIですが、ご覧の通り、ほぼ重なり合っていて違いがわからないほどです
このような評価額ですので、実際の運用実績でもほとんど差が現れなかったのが納得できます
総合評価と結論
- 評価価額ではほぼ差なし
- コスト優位はSBI VTI
- SBI証券で投資した場合のポイント制度優位は楽天 VTI (楽天証券では、楽天VTIのみ購入可能ですが、ポイントはほとんど付与されません)
- 公表リターンデータの差が楽天優位なら、「実質的には楽天 VTIがわずかに有利」という見方も可能
- せっかく含み益が増えているので、楽天VTIをわざわざ売って売却益に税金を払い、SBI・V VTIを買い直すメリットは全く無く、「楽天VTIも継続して持ち続けること」が最も重要
まとめ
これまで確認してきた通り、楽天VTIは、SBI・V VTIとほとんど変わらない成績で推移しています
以前購入したけど、手数料が安いSBI・V VTIや、eMAXIS Slim S&P500にわざわざ買い直す事は、仮に旧NISAや現行NISAで運用していたとしても、手間をかけることに見合うメリットがありません
今回の比較を通じて、ごちゃごちゃ売ったり買ったりすることはせずに、ガチホールドすることの方が大切であると言うのがわかりました
楽天VTIを保有している人の悩みや迷いが少しでも解消できたら幸いです


コメント