はじめに:信託報酬が安いのに、なぜ負けたのか?

SBI・V全米株式(VTI)って、楽天VTIより信託報酬が安いんだよね。じゃあ成績も勝ってるってことでいいんじゃないの…?

それがね、実際に両方を同じ金額で積み立ててみたら、ちょっと意外な結果になったんだよ
信託報酬が安いはずのSBI・V VTIが、評価損益ではわずかに“負けて”いたんだ

えっ、コストが安いほうが負けるってどういうこと?めっちゃ気になる…!

うん、ここには「表面のコスト」だけでは見えない理由が隠れているんだ
今回は、私が実際に8か月間ガチで運用して分かった「2つのVTIの違い」と「差が出た理由」を、数字で解説していくよ
「SBI・V全米株式インデックス・ファンド(以下、SBI・V VTI)」と「楽天・全米株式インデックス・ファンド(以下、楽天VTI)」。
どちらも、厚切りジェイソンさんの著書などで一躍人気になった米国株指数「VTI」に連動する、人気の投資信託です。
カタログスペックだけ見れば、信託報酬の安いSBI・V VTIに軍配が上がりそうに見えます。ところが、私が実際に両方を積み立ててみると、話はそう単純ではありませんでした。
この記事では、2つのファンドの違いと、評価損益に差が出る理由を、実際の運用データをもとに解説します。「結局どっちを買えばいいの?」という方が、自分で判断できるようになることをゴールにしています。
なお、本記事は2021年8月〜2022年3月の「初期8か月」の実証がベースです。その後2025年11月までほったらかしで持ち続けた“最新の結論”は、記事の最後でご案内します。
まず結論:違いは「ほぼ誤差」、でも理由を知ると選び方が変わる
先に結論からお伝えします。
- 8か月運用した評価損益の差は、わずか約0.3%(約70円)。実用上は「ほぼ互角」
- それでもやや勝ったのは、信託報酬が高いはずの楽天VTI
- その理由は「信託報酬(表面コスト)」ではなく、純資産額の差による“運用効率”と“隠れコスト”にあると考えられる
| 比較項目 | SBI・V VTI | 楽天VTI | どちらが有利か |
|---|---|---|---|
| 信託報酬(表面コスト) | 約0.0938% | 約0.162% | SBI が安い |
| 純資産額(2022年3月時点) | 約716億円 | 約5,551億円 | 楽天が約8倍 |
| 投信マイレージ付与率(SBI証券) | 0.022% | 0.05% | 楽天が高い |
| 8か月の評価損益 | +21,441円 | +21,511円 | 楽天がやや上 |
実際の運用画面がこちらです。2022年3月末時点の評価損益は、SBI・V VTIが+21,441円、楽天VTIが+21,511円でした。



「表面のコストはSBIが安いのに、結果は楽天がやや上」――この“ねじれ”の理由を、これから順番に解説します。
そもそもの違い①:信託報酬と「隠れコスト」

信託報酬が安いほど、手元に残るお金は増えるはずだよね?

理屈はその通り。でも投資信託には“隠れコスト”っていうのがあってね
これは運用してみないと正確には分からない、目論見書にも「運用状況によって変化する」とハッキリ書いてある費用なんだ
SBI・V VTIの信託報酬は約0.0938%と、業界最安値クラス。数字だけ見れば文句なしです。
ただし、投資信託の本当のコストは信託報酬だけではありません。売買手数料や保管費用などを含めた「隠れコスト(実質コスト)」が別に存在します。これは各ファンドの「運用報告書」という書類で初めて分かるものです。


問題は、SBI・V VTIは設定(運用開始)が2021年6月と新しく、当時はまだ運用報告書が出そろっていなかったこと。つまり「本当のコスト」は、表面の信託報酬だけでは判断できなかったのです。
だからこそ私は、「カタログスペックを信じる」のではなく、「実際に両方買って、自分の目で成績を比べる」という方法を選びました。
そもそもの違い②:純資産額と「運用効率」
評価損益の差を生んだ最大の要因は、純資産額の違いによる運用効率だと考えています。
2022年3月時点の純資産額は、次の通り大きく違いました。
- SBI・V VTI:約716億円(設定日2021年6月29日/運用歴 約10か月)
- 楽天VTI:約5,551億円(設定日2017年9月29日/運用歴 約4年6か月)
楽天VTIは、SBI・V VTIの約8倍の資産を集めていました。
同じ指数(VTI)に連動するファンドであれば、運用にかかる手間やコストの“絶対額”は大きく変わりません。そのため、純資産額が大きいほど、資産あたりの運用コストは薄まり、運用効率が上がります。結果として、隠れコストが低く抑えられていた可能性が高いのです。
逆に言えば、SBI・V VTIが約10か月で700億円超を集めたのも驚異的なスピードです。資産が育てば、この差は将来さらに縮まっていくと考えられます。
そもそもの違い③:SBI証券での「ポイント付与率」
もう一つ、見落としがちな違いがあります。SBI証券で保有したときの「投信マイレージ(ポイント付与率)」です。
- SBI・V VTI:0.022%
- 楽天VTI:0.05%
実は、SBI証券で保有する場合のポイント付与率は、楽天VTIのほうが高いのです。「SBIのファンドだからSBI証券でお得」とは限らない、という点は知っておいて損はありません。
※楽天証券で楽天VTIを保有する場合は、ポイントはほとんど付きません。あくまで「SBI証券で保有した場合」の比較です。
結局どっちがいい?タイプ別の選び方

違いは分かった。で、私はどっちを選べばいいの…?

結論は「どっちでもいい(まず始めるのが一番)」なんだけど、それだと不親切だよね
だから、状況別に整理してみたよ
差が「ほぼ誤差」である以上、私の基本スタンスは「どっちでもいい。迷う時間より、早く始めるほうが大事」です。そのうえで、状況別に整理します。
- すでに楽天証券で楽天VTIを運用中の方 → 信託報酬の安さに惹かれて、わざわざSBI証券を開設して乗り換える必要はありません。そのまま楽天VTIを継続でOKです。
- これから1つ目の口座を開く方/2つ目の口座でどちらを買うか迷う方 → 8か月の実証時点では、運用効率・ポイントの面で楽天VTIがやや有利という結果でした。
いずれにせよ、「乗り換えコスト(手間・税金)」をかけてまで動くほどの差ではない、というのがこの実証から得られた最大の学びです。
【最新版】その後、2025年11月までどうなった?
ここまでは2022年3月・運用8か月時点の話でした。
では、その後この2本をほったらかしで持ち続けたら、どうなったのか?
2025年11月30日時点の最新結果を、別記事で詳しくまとめています。結論だけ先にお伝えすると――
- 評価額:SBI・V VTI 1,417,033円 / 楽天VTI 1,416,912円(元本は各725,000円)
- 3年トータルリターン:SBI 83.91% / 楽天 84.01%
- やはり、ほとんど差はつきませんでした
つまり、初期8か月で見えた「ほぼ互角」という傾向は、その後の数年間でも変わらなかったということです。グラフや積立実績の詳細は、こちらの最新版でご覧いただけます。
▶ 【2025年11月最新版】SBI VTI と 楽天VTI 比較|1か月~3年リターン+積立実績分析
まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
- SBI・V VTIと楽天VTIの信託報酬はSBIが安いが、実際の評価損益は楽天がわずかに上だった(差は約0.3%)
- 理由は、純資産額の差による運用効率と、それに伴う隠れコストの低さにあると考えられる
- SBI証券でのポイント付与率は楽天VTIのほうが高い
- 差は「ほぼ誤差」。乗り換えコストをかけてまで動く必要はない
- 2025年11月時点でも傾向は変わらず、どちらを選んでも“持ち続けること”が一番大事
VTIへの投資で迷っているなら、SBIか楽天かで悩む時間より、少額でも今日から積み立てを始めることのほうが、ずっと大きな差になります。あなたも、まずは一歩を踏み出してみませんか?
最新の運用結果もぜひあわせてご覧ください。



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