配当金が口座に振り込まれたとき、あなたはどうしていますか。「再投資に回すのが正解」——投資の本やネット記事は、ほぼ一色でそう教えてくれます。複利の力を考えれば、たしかに合理的です。でも私は、高配当株の配当金を再投資に回していません。その年に使い切っています。

えっ、使っちゃうの?配当金は再投資したほうが増えるんだよね?なんだかもったいない気がしちゃう…。

高配当株投資を始めた頃は、全部再投資するつもりだったんだけどね。でもいまは、配当金はその年に使い切ってる。複利をあきらめたわけじゃなくて、複利の仕事は別のお金に任せてあるから。この「役割分担」の話が今日のトピックだよ。
私は2019年から日本の高配当株に投資していて、いまは約90銘柄を保有し、配当金は住居費と水道光熱費を賄えるくらいに育ちました。その配当を、私は毎年使い切ります。この記事では、「もったいない」と言われがちなこのやり方を、あえて選んでいる理由を説明します。
結論:配当金を使い切れるのは「役割分担」があるから
先にお伝えすると、その仕組みとは、お金を2つのチームに分けていることです。
① 育てるお金=インデックス投資信託。 新NISAのつみたて枠で全世界株式などを積み立て、受け取らず・売らず・複利で増やす。何十年か先の自分のためのお金。
② 使うお金=高配当株の配当。 いまの生活を豊かにするために受け取る。だからその年に使い切る。
複利の仕事は①のインデックスに任せてあるので、②の配当金は安心して使えます。逆に言うと、この役割分担がないまま配当を使うと「増やすお金を食べている」ような罪悪感が残り、役割分担がないまま全部再投資すると「何のために投資しているのか」が分からなくなる。使うか再投資かの前に、お金の役割を分けることが先なのです。

再投資の複利効果は、否定しない
誤解のないように書いておくと、配当金の再投資はとても合理的な戦略です。受け取った配当で株を買い増せば、翌年の配当金がまた少し増える。これを繰り返すと、受取配当金は雪だるま式に育っていきます。資産形成の教科書が再投資を勧めるのは正しいのです。
ただし、複利が最適解になるのは「そのお金の目的が、遠い将来にある」場合です。すべてのお金を遠い将来へ送り続けると、資産の数字は育つ一方で、いまの暮らしは何も変わりません。お金は使われて初めて、生活を良くする道具になります。だから問うべきは「再投資と使うの、どちらが得か」ではなく、「その配当金を、何年後に、何に使いたいか」——私が投資判断のたびに立ち返る、いつもの問いです。
私が「その年に使い切る」3つの理由
理由その1:私の配当の目的は「いま」だから
先ほどの問いに対する私の答えが「いま使う」だから、というのが一番の理由です。私にとって高配当株の配当金は、老後のためのお金ではなく、いまの家計を軽くし、いまの生活に少しゆとりを足すためのお金です。実際、配当が住居費と水道光熱費をカバーしてくれるという感覚は、毎月の家計に静かな安心感をくれます。遠い将来のためのお金は、①のインデックスがすでに働いてくれています。
理由その2:「使う体験」が、投資を続ける力になる
投資でいちばん難しいのは、銘柄選びではなく「続けること」です。配当金を使うと、投資が画面の中の数字ではなく、暮らしの実感に変わります。配当金で家族と外食をする、光熱費の請求書を配当が払ってくれる——この体験があると、株価が下がった局面でも「この仕組みは手放したくない」と自然に思えます。使う楽しみは、長期投資を支えるいちばん素朴なエンジンだと私は思っています。
理由その3:出口を先に作っておきたいから
再投資は合理的ですが、続けるほど「使い始めるタイミング」が難しくなります。増える快感があるので、いつまでも出口を先送りしてしまう。気づけば、使うことに一番臆病なのは資産を一番持っている自分——そんな話は珍しくありません。私は「配当金は使うお金」と先に決めてしまうことで、この出口問題を最初から無くしています。出口は、あとで探すものではなく、先に決めておくもの。買い時と同じです。

再投資が向く人・使うのが向く人
念のため強調しておくと、「使い切る」がすべての人の正解ではありません。目的次第で、向き不向きが分かれます。
| 再投資が向く人 | 使うのが向く人 |
|---|---|
| 配当の目的が10年以上先にある | 配当金に「いまの生活を支える」役割を持たせたい |
| 生活費は本業の収入で十分足りている | 使う楽しみをモチベーションに長く続けたい |
| 複利で受取配当金を最大化したい | 複利は別のお金 (インデックス等) に任せている |
ポイントは、私が使い切れるのは「複利の器を別に持っているから」だという点です。もしインデックスなどの育てるお金がまだないなら、まずそちらを整えるのが先だと思います (その順番はインデックスで心理的余裕を作ってから高配当株を始める方法に書きました) 。そのうえで、配当という果実をどう使うかは、あなたの目的が決めることです。


「もったいない」んじゃなくて、複利はインデックスに任せて、配当は使う係なんだね。役割が分かれてれば、使うことに罪悪感もいらないんだ。

そういうこと。お金に役割を与えると、迷いが減るんだ。増やすお金は静かに働かせて、配当金は堂々と使う。それが私の「配当金の使い道」だよ。
まとめ:使い道は「役割分担」で決める
- 再投資の複利は合理的。ただしそれは目的が遠い将来にあるお金の話。
- 私は育てるお金 (インデックス) と使うお金 (配当) を分け、配当金はその年に使い切る。
- 理由は3つ——①配当の目的が「いま」だから ②使う体験が続ける力になるから ③出口を先に決めておきたいから。
配当金の使い道に、万人共通の正解はありません。あるのは「その配当金を、何年後に、何に使いたいか」という問いだけです。私の場合、その答えが「いま」だった——それだけの話です。資産運用の目的から考える手順は資産運用の目的と目標の決め方に、配当を家計の柱に育てる道のりは配当金で月3万円は意外と現実的?にまとめています。あわせてどうぞ。
※本記事は運営者個人の実体験と考え方をまとめたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。


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