こどもNISAに親のお金を入れるご家庭もあれば、お年玉やお祝い金、児童手当を入れるご家庭も多いはずです。
では、お金の出どころによって、贈与税の扱いは変わるのでしょうか。証券会社の解説は「親のお金を入れる場合」が中心で、お年玉や児童手当までは書かれていません。
この記事では、こどもNISAに入れるお金を出どころ別に4つに分けて、国税庁の資料で確かめた内容と、わが家のやり方をご紹介します。
- お年玉・お祝い金に贈与税がかかるか
- 児童手当を子どもの口座に入れたときの扱い
- 親や祖父母のお金と年110万円の数え方
- 記録の残し方と、わが家のやり方

お年玉をこどもNISAに入れても、税金はかからないの?

ふつうの額のお年玉なら、かからない決まりだよ。ただ、親のお金を入れるときは考え方が変わるんだ。順に見ていこう。
結論|お金の出どころで扱いが変わる
先に結論です。こどもNISAに入れるお金は、誰からもらったお金かで、贈与税の扱いが変わります。
押さえる点は3つです。
お年玉とお祝い金は原則かからない
お年玉やお祝い金は、社会通念上相当と認められる範囲なら、贈与税がかかりません (出典:国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合)。
親のお金と児童手当は贈与になる
親が自分のお金を子どもの口座に入れると、親から子への贈与になります。児童手当の場合、受け取るのは親なので、子へ渡すのであれば同じく贈与の扱いになります。
年110万円までは税金がかからない
贈与になるお金も、子どもが1年間に受け取る合計が110万円以下なら、贈与税はかからず、申告も要りません (出典:国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合)。

ここからは、お金の出どころごとに、資料の書き方とわが家のやり方を確かめます。
1. お年玉・お祝い金を入れる場合
子どもがもらったお年玉やお祝い金は、もともと子ども自身のお金です。こどもNISAに入れても、新たに贈与が発生するわけではありません。
もらった時点の扱いを、国税庁の資料で確かめます。
国税庁の資料の書き方
国税庁は、贈与税がかからない財産の一つに、次のものを挙げています。
- 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
お年玉は年末年始の贈答、入学祝いや誕生祝いは祝物にあたる、と私は読んでいます (出典:国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合)。
金額の線は示されていない
「社会通念上相当」が何円までかは、資料に書かれていません。お年玉やお祝いの名目なら、いくらでも非課税になるわけではない点に気をつけます。
まとまった額を「お祝い」として渡す場合は、ふつうの贈与として、あとで見る年110万円の中で数えるのが安全だと考えます。
わが家のやり方|もらうたびに口座へ
わが家では、子どもがお年玉やお祝い金をもらうたびに、子ども名義の口座へ入れてきました。こどもNISAの主な元本は、このお金です。
子どもにも「これはあなたのお金だよ」と伝えています (子どもへの説明の記録)。
2. 児童手当を入れる場合
児童手当を、子どもの将来のために貯めている家庭は多いと思います。ここで気をつけたいのは、児童手当は子どものお金ではなく、親が受け取るお金だという点です。
受け取るのは養育している親
児童手当の支給対象は、「児童を養育している方」と決められています (出典:こども家庭庁 児童手当制度のご案内)。子ども本人ではありません。
子どもの口座へ入れると贈与
親が受け取った児童手当を子どもの口座に入れると、親のお金を子どもに渡したことになります。楽天証券も、親が自分のお金をこどもNISAに入れることは、親から子への贈与として扱われると説明しています (出典:楽天証券 こどもNISAに贈与税はかかる?)。
贈与になっても、年110万円までなら税金はかかりません。大事なのは、贈与だと分かったうえで数えることです。
わが家のやり方|贈与契約書を交わす
わが家は、児童手当に相当する額を子どもに贈与しています。そのときは、子どもとの間で贈与契約書を交わしています。
贈与は、あげる側が意思を示し、もらう側が受け取ると決めることで成り立ちます (出典:民法 第549条)。書面にしておくと、いつ、いくら渡したかが、あとから確かめられます。

家族のあいだで、契約書まで作るんだね。

大げさに見えるけれど、「もらった」と子どもが分かっていることが大事なんだ。お金の話をする、良いきっかけにもなるよ。
3. 親のお金を入れる場合
親の給料や貯金からこどもNISAに入れるお金は、親から子への贈与です。年110万円の基礎控除の中で考えます。
年110万円までは申告も不要
贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計から、基礎控除110万円を引いた残りにかかります。合計が110万円以下なら、贈与税はかからず、申告も要りません (出典:国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合)。
こどもNISAだけの特別な枠はない
こどもNISAの枠は年60万円なので、それだけなら110万円に収まります。ただし、こどもNISAに贈与税の特別な枠があるわけではありません (出典:楽天証券 こどもNISAに贈与税はかかる?)。
同じ年に、子ども名義の預金などへ入れたお金があれば、それも合計します。計算の例を表にしました。
表1 親から子への贈与の計算例 (1年間)
| こどもNISA | ほかの口座 | 合計 | 110万円を超える額 | 贈与税 |
|---|---|---|---|---|
| 60万円 | 0円 | 60万円 | なし | かからない |
| 60万円 | 50万円 | 110万円 | なし | かからない |
| 60万円 | 70万円 | 130万円 | 20万円 | 2万円 |
3行目の税額は、110万円を超えた20万円に、税率10%を掛けた額です (出典:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率)。
4. 祖父母からのお金を入れる場合
祖父母が孫のために出すお金も、贈与です。気をつけたいのは、110万円は「あげる人ごと」ではなく「もらう人ごと」に数える点です。
親の分と合計して数える
基礎控除の110万円は、子どもが1年間に受け取った贈与の合計から引きます。親と祖父母の両方から受け取った年は、足して考えます (出典:国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合)。
表2 親と祖父母から受け取った年の計算例
| 親から | 祖父母から | 合計 | 110万円を超える額 | 贈与税 |
|---|---|---|---|---|
| 60万円 | 40万円 | 100万円 | なし | かからない |
| 60万円 | 60万円 | 120万円 | 10万円 | 1万円 |
110万円を超えた年は、もらった年の翌年2月1日から3月15日までに、申告と納税をします (出典:国税庁 No.4429 贈与税の申告と納税)。
わが家のやり方|売って買い直す
祖父母からもらったお金は、いま子どもの未成年口座で投資信託にしています。2027年からは、これを売って、こどもNISAで同じ投資信託を買い直す予定です。
すでに子どものものになっているお金を、子どもの口座のあいだで動かすだけなので、新しい贈与にはあたらないと私は整理しています。売って利益が出れば、その利益には20.315%の税金がかかります (子どもの口座からこどもNISAへ)。
名義だけの口座にしないために
贈与税がかからなくても、気をつけたい点がもう一つあります。口座の名義が子どもでも、実質は親の財産と見られることがある点です。
名義の預金と見られる場合
国税庁は、相続税の誤りやすい事例として、名義にかかわらず、亡くなった人が資金を出しているなど、その人の財産と認められるものは相続税の対象になる、と示しています (出典:国税庁 被相続人以外の名義の財産 (預貯金))。
親がお金を出し、子どもは口座があることも知らない。こうした状態が、いわゆる名義預金です。
こどもNISAとの違い
楽天証券は、こどもNISAには引き出しの制限があり、親の財布として自由に使えない仕組みになっている点が、名義預金との大きな違いだと説明しています (出典:楽天証券 こどもNISAに贈与税はかかる?)。
とはいえ、制度に任せきりにはしません。子どものお金だと説明できる形を、家でも整えておきます。
わが家が続けている3つ
- 贈与契約書を交わす:児童手当に相当する額を渡すとき
- エクセルで記録する:子どもが1年間に受け取った合計が、110万円を超えていないかを確かめる
- 子どもに伝える:自分の口座に、自分のお金があることを話す
記録は、誰から、いつ、いくら、の3つが分かれば十分だと考えています。
亡くなる前の贈与は相続で数える
110万円以下の贈与でも、あげた人が亡くなる前の一定期間のものは、相続や遺贈で財産を受け取った人の相続税の計算に加えられます。期間は、相続が始まる日によって3年から7年です (出典:国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除)。

税金の額より、誰のお金かを説明できることが大事だと思っている。記録は、そのための道具だよ。
まとめ|誰からのお金かを記録する
もう一度、要点です。こどもNISAに入れるお金は、出どころで扱いが変わります。
- お年玉・お祝い金:社会通念上相当な範囲なら、贈与税はかからない
- 児童手当:受け取るのは親。子どもの口座へ入れると、親からの贈与
- 親のお金:年110万円までは、税金も申告も不要。ほかの口座の分も合計する
- 祖父母のお金:親の分と合計して、もらう子どもごとに110万円で数える
- 名義だけにしない:契約書と記録を残し、子どもに伝える
まず、今年、子どもが誰からいくら受け取ったかを書き出してください。合計が110万円に届かなければ、贈与税の心配は要りません。
よくある質問
Q1. お年玉をこどもNISAに入れると、贈与税がかかりますか?
社会通念上相当な額なら、かかりません。お年玉は、もらった時点で子どものお金です。こどもNISAに入れても、新しい贈与にはなりません。
Q2. 児童手当をそのまま入れてもよいですか?
入れられますが、親からの贈与として数えます。児童手当を受け取るのは親だからです。年110万円までなら、贈与税はかかりません。
Q3. 贈与契約書は、作らないといけませんか?
作らないと贈与にならない、という決まりではありません。わが家は、いつ、いくら渡したかをあとで確かめられるように作っています。
Q4. 18歳になったとき、贈与税はかかりますか?
通常は、かからないと説明されています。こどもNISAの資産は、入れた時点で子どもの財産です。成人後のNISAへ移るときも、持ち主は変わりません (出典:楽天証券 こどもNISAに贈与税はかかる?)。
この記事は、筆者の実体験と、国税庁・こども家庭庁・楽天証券の公開資料 (2026年10月10日に確認) をもとにまとめたものです。税金の扱いは、お金の渡し方や管理の実態によって変わります。記事の計算例は、ほかに贈与がない場合の一般的な例です。ご自身の場合は、税務署や税理士に確かめてください。


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