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「高配当株はやめとけ」は当たっている|7年続けた私が7つの理由に答えます

テクニック

高配当株を始めようとしたら、「やめとけ」と言われた。調べてみると、たしかに否定的な記事がいくつも出てくる——この記事は、そこで手が止まっている方に向けたものです。よく挙がる7つの理由が、それぞれ本当に当たっているのかを、2019年から7年、日本の高配当株を93銘柄持ち続けている立場からお答えします。読み終えると、自分に向いているかどうかを、自分で判断できるようになります

みらい
みらい

高配当株を始めようと思って調べたら、「やめとけ」「おすすめしない」って記事ばっかり出てきたの。やっぱりやめたほうがいい?

たく
たく

先に言っておくと、「やめとけ」の理由は、どれも当たっているよ。私は7年続けているけど、否定するつもりはないんだ。ただね、それはインデックスと同じ土俵で比べた場合の話なんだよ。

結論|「やめとけ」の理由は、どれも当たっています

先に結論をお伝えします。よく挙がる7つの理由を並べてみましたが、私はどれも否定しません。全部そのとおりです。

表1 「やめとけ」7つの理由と、私の答え

言われる理由私の答え
減配・無配になることがある当たっている。5社で経験しました
株価が伸びにくい当たっている。だから期待していない
高い利回りには裏がある当たっている。利回りで選ばない
配当だけで生活するのは非現実的当たっている。目標にしていません
配当に課税されて複利が効かない当たっている。複利の土俵にいません
銘柄選びと管理に手間がかかる当たっている。だから仕組みにした
業種が偏る当たっている。分散することで回避する

ではなぜ、全部当たっているのに7年も続けているのか。答えはひとつです。インデックス投資と同じ土俵で比べていないからです。

「資産を最大化する」という土俵で戦えば、高配当株はインデックスに負けます。それは私も認めます。でも私が高配当株に担わせているのは「毎年お金を受け取る」という別の役割です。土俵が違えば、勝ち負けの基準も変わります。

高配当株はやめとけと言われる7つの理由と、7年続けた筆者の答え
図1:よく挙がる「やめとけ」7つの理由。①〜④は否定的な記事が共通して挙げるもの、⑤〜⑦は実際に続けた人しか触れないもの。私はどれも否定はしません。

理由①|減配・無配になることがある

当たっています。というより、私はすでに経験しました。

始めたころは「減配なんてJTくらいだろう」と思っていました。実際に数えてみたら、保有しているなかで5社が減配していました。想像していたより、ずっと普通に起きることです。

ただ、私は93銘柄に分散しています。均等に持っているとすると1銘柄あたり約1.08%。1社が減配しても、資産全体で見れば1%ほどの影響にとどまります。5社が減配しても、5%です。

インデックスファンドは育てるお金、高配当株は受け取るお金という役割の違い
図2:インデックスファンドと高配当株は役割が違う。育てるお金は自分で売らないと手元に来ないが、受け取るお金は持っているだけで入ってくる。「資産を最大化する」土俵で比べれば、高配当株はインデックスに負ける。

逆に言えば、10銘柄しか持っていなければ1社で10%です。減配が怖いというより、分散していないことが怖いのだと思います。減配されたときの判断の仕方は高配当株が減配されたらどうする?にまとめました。

理由②|株価が伸びにくい

当たっています。高配当株は成熟企業が中心です。稼いだ利益を事業への再投資ではなく配当に回しているのですから、株価が大きく伸びないのは当然といえば当然です。

ただ、私は高配当株に値上がりを期待していません。値上がりで増やす役割は、インデックスファンドに任せてあります。

「高配当株は株価が伸びない」という指摘は、高配当株に値上がりを期待している人にとっては致命的です。でも期待していない人にとっては、前提の確認にすぎません。

理由③|高い利回りには裏がある

当たっています。配当利回りは「1株あたり配当 ÷ 株価」で決まるので、株価が下がるだけで利回りは上がります。業績が悪化して株が売られた結果、見かけの利回りだけが高くなっている——これはよくあることです。

利益以上の配当を出している状態 (配当性向100%超) も同じです。続くはずがありません。

だから私は利回りで銘柄を選びません。財務の指標で見て、続けられそうにない会社を先に外します。選び方は高配当個別株投資の始め方に書きました。

この理由は「高配当株がダメ」ではなく、「利回りだけで選ぶのがダメ」と読むのが正確です。

理由④|配当だけで生活するのは非現実的

当たっています。否定的な記事の多くが、ここを根拠にしています。「年300万円の配当を得るには7,500万円必要」「税引後なら1億円近い」——計算としては、そのとおりです。

ただ、この指摘にはひとつ前提が入っています。「配当だけで生活する」というゴール設定です。

私はそこを目標にしていません。いまの水準は、配当で住居費と光熱費を賄えるくらいです。生活費の全部にはまったく届いていません。

それでも、家計の景色は変わりました。毎月かならず出ていく固定費のうち、いちばん大きな2つが、働かなくても入ってくるお金で埋まっている。この状態は、金額の大小とは別の安心感があります。

「1億円ないと意味がない」というのは、ゴールを他人の基準で決めているから出てくる話です。自分に必要な金額は、ライフプラン表を作れば見えてきます。作り方はライフプラン表を14年つけてわかったことにまとめました。

理由⑤|配当に課税されて複利が効かない

当たっています。特定口座で配当を受け取ると20.315%が引かれます。受け取るたびに課税されるので、同じ資金をインデックスファンドで運用した場合と比べると、複利の効きは確実に落ちます。

ただ、この批判には前提があります。「配当を再投資する」という前提です。

私は配当を再投資していません。その年に使い切ります。複利を効かせる役割はインデックスファンドに任せてあるので、高配当株の配当は使うためのお金です。使うつもりのお金に「複利が効かない」と言われても、はじめからそこを狙っていません。

つまり私はこの批判の土俵に乗っていないということです。配当をどう扱っているかは配当金の使い道|私が再投資せず「その年に使い切る」理由に書きました。

なお、新NISAの中で持てば配当も非課税になります。ただし受取方法を「株式数比例配分方式」にしていないと課税されるので、そこだけは設定を確認してください。

理由⑥|銘柄選びと管理に手間がかかる

当たっています。インデックスファンドなら1本を積立設定すれば終わりです。高配当株は比べものになりません。銘柄を調べ、買う値段を決め、決算を追い、業種の偏りを見る——手間は確実にかかります。

私が7年続けられたのは、毎回考えなくていい形にしたからです。銘柄ごとに「この値段まで下がったら買う」という購入ラインを先に決めておき、あとは待つだけ。相場を見て判断することをやめました。

やり方は高配当株はいつ買う?買い時を「当てない」にまとめています。

それでも手間はゼロにはなりません。この手間を「面白い」と思えるかどうかが、続くかどうかの分かれ目だと思っています。

理由⑦|業種が偏る

当たっています。利回りの高い順に買っていくと、商社・銀行・通信・保険あたりに自然と寄っていきます。銘柄数を増やしても、業種が同じなら分散にはなりません。

景気が悪くなったとき、同じ業種の会社はそろって業績が落ちます。「30銘柄持っているから安心」は、業種が3つに固まっていたら成立しないということです。

これは意識してセクター分散を行うことで解決できます。私が93銘柄でどう散らしているかは高配当株のセクター分散のやり方に書きました。

全部当たっているのに、なぜ7年続けているのか

ここまで7つ、すべて「当たっている」と書いてきました。ではなぜ続けているのか。

7つの理由は、どれも「インデックス投資と比べると劣る」という形をしているからです。株価が伸びない、複利が効かない、手間がかかる——比較の相手は、いつもインデックスです。

でも、私はこの2つを比べていません。役割が違うからです。

表2 インデックスと高配当株は、役割が違う

インデックスファンド高配当株
役割育てるお金受け取るお金
いつ使う老後に取り崩して使う毎年の生活を支える
お金の出方自分で売らないと出てこない持っているだけで入ってくる
評価の基準資産がいくら増えたか毎年いくら受け取れるか

インデックスファンドは、持っているだけでは1円も手元に入りません。使うには自分で売る必要があります。老後に「今月はいくら売ろうか」と毎回決めるのは、想像より難しい作業です。

高配当株は、持っているだけで毎年入ってきます。売る判断をしなくていい。私が高配当株を持っている理由は、これひとつです。ここまで挙げた7つの欠点は、その代わりに引き受けているもの、という位置づけです。

93銘柄に分散していれば1社の減配は全体の約1パーセント
図3:93銘柄に均等に分散していれば、1社の減配は全体の約1.08%、5社でも約5.4%にとどまる。10銘柄しか持っていなければ1社で10%が消える。

もし「資産を最大化したい」が目的なら、インデックス1本のほうが合理的です。そこは争いません。7つの理由は、その人にとっては全部そのまま当てはまります。

みらい
みらい

「やめとけ」って言ってる人が間違ってるわけじゃないんだね。

たく
たく

そう。間違っているのは、目的を確かめずに「やめとけ」だけを受け取ることなんだ。増やしたいのか、受け取りたいのか。そこが決まれば、答えは自分で出せるよ。

それでも、向いていない人はいます

「やめとけ」が正しい人は、確かにいます。

表3 向いている人・向いていない人

向いていない向いている
資産を最大化したい毎年の入りを増やしたい
手間をかけたくない調べるのが苦にならない
売って使うことに抵抗がない取り崩す判断を減らしたい
短期で成果がほしい10年以上持ち続けられる

とくに「手間をかけたくない」に当てはまる方は、無理に始めないほうがいいと思っています。理由⑥のとおり、手間は最後まで消えません。仕組みで減らせても、ゼロにはならないからです。

逆に、老後に「今月いくら売るか」を毎回決めるのが億劫だと感じる方には、受け取る仕組みを持っておく意味があります。私が7年続けている理由も、突き詰めればそこです。

まとめ|「やめとけ」は正しい。ただし目的による

  • よく言われる7つの理由は、どれも当たっています。私は7年続けていますが、否定はしません
  • 減配は実際に5社で経験しました。93銘柄なら1社あたり約1%に収まります
  • 「配当だけで生活するには1億円」は事実。ただし「配当だけで生活すること」を目標にしなければ話は変わります
  • 「複利が効かない」は配当を再投資する前提の話。私は使い切るので、その土俵にいません
  • 7つとも「インデックスと比べると劣る」という形をしています。私は比べていません。役割が違うからです

増やしたいのか、受け取りたいのか。そこを決めないまま「やめとけ」だけを受け取ると、判断できないまま止まってしまいます。始め方は高配当個別株が怖い初心者へ、50代から始める場合は50代から高配当株は遅い?にまとめています。

よくある質問

Q1. 高配当株は誰に向いていませんか?

資産を最大化したい方、手間をかけたくない方、短期で成果がほしい方です。この3つに当てはまるなら、インデックスファンド1本のほうが合っていると思います。

Q2. 高配当株ばかり買うとどうなりますか?

業種が商社・銀行・通信などに偏ります。また、値上がりで増える部分がないので、資産の伸びはインデックスに劣ります。高配当株だけに寄せるのはおすすめしません。私もインデックスと併用しています。

Q3. 何銘柄くらい必要ですか?

1銘柄あたりの比率から逆算するのが分かりやすいです。1%ずつなら100銘柄、2%ずつなら50銘柄、3%ずつなら33銘柄。私は93銘柄で、1銘柄あたり約1.08%です。業種の散らし方はセクター分散のやり方をご覧ください。

Q4. 配当で月3万円もらうには、いくら必要ですか?

利回りと税金の前提で変わります。配当金で月3万円は意外と現実的?で必要額を計算しました。

Q5. インデックスだけではだめですか?

だめではありません。資産を増やすだけならインデックス1本で足ります。違いが出るのは使う段階で、インデックスは自分で売らないとお金になりません。その判断を減らしたい方に、高配当株が効きます。

Q6. いま始めるなら、何からですか?

いきなり個別株を買わないことです。私はインデックスで値動きに慣れてから個別株に進みました。順番は高配当個別株が怖い初心者へに書いています。

※ 本記事は筆者個人の実体験と考え方をまとめたものであり、特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。配当は企業の業績や方針により減配・無配となる可能性があります。税制の取扱いは2026年8月時点の情報です。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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